検定用精油キットを勧めない理由

香川県高松市マンツーマンアロマサロン・スクールAromatico～アロマティコ～高嶋です。今回は、検定用の精油キットを勧めない理由をお伝えします。

あのね、くれぐれも買っちゃダメって言ってないからね？勧めないって言っているの。ここで嗅いでもらって、好きな精油、欲しい精油があれば、注文しますが、それだって一番小さいサイズから買う事をおススメしています。1ml等の少量での分割販売もしてます。とにかく、学ぶ段階で「これは私は使わんな」という精油を、発生させたくないんです。

どれにしようかな？迷っちゃうな、って、嬉しい選択をして欲しいから、分からないものを買って欲しくないんです。

原料の植物の種類が同じでも、育った場所や収穫時期、蒸留工場が違う香りが微妙に変わります。その不思議を楽しんで学んで頂きたいんです。私の精油と比べてもいいけれど「あ～そっちの方が良かった」とかなったら困るなぁって思っています。もちろん逆の場合もあるけどね。

理由

一言で言えば「もったいない」と思っているから。もう少し詳しく言えば「スメリングテスト対策のためだけに、買うのはもったいない」から。スメリングテストは恐らく2問くらい。しかも選択肢がある。どうにかなる。

間違えても1～2問。そのうち分かりやすいのは必ず1問出るというウワサ(笑)。判断しにくいものが1問、というウワサ。

オレンジ、ペパーミント、それがガラッと変わってしまってローズみたいな香りがするなんてことは無い。オレンジはオレンジ、ペパーミントはペパーミントで、きっと迷わないと思います。

レモンが出た時にグレープフルーツと迷う・・・事はひょっとしたらあるかも。でも、選択肢にレモンとグレープフルーツが並ばなければ出来るはず。ユーカリやティートリー、サイプレスが出て、選択肢に答えが並んだら、難しく感じるかもしれない。（アロマ検定は、問題も回答も公表されておらず、結局のところ正解は分からない。）

だから、キットの香りを覚えても、意味が無いとは言わない。でも、キットのティートリーが、テストで使われるティートリーとは違うメーカーであれば、気付かないかもしれない。

買っちゃダメなの？

そんなことは言っていない。全30種を購入する・・・・どれを買っていいか分からないから、試しにキットで買う。少量だけ欲しいからキットになっているから買う。うん、いいよ。でも、必ず、キットの☆☆社のキットの○○精油は苦手だったけど、△△社のはいい匂いで驚いた。こういうの、出てくる。

好きじゃないものを手元に置く事が、私はあまり好きじゃないので、皆にも好きなモノ、使えるものを探して手元に持っておいて欲しいんです。
そして、初めて買う精油がこの香りは、あまり好きじゃないとインプットして欲しくない。キットを出しているメーカーは4～5社あると思います。香りの傾向が大きく変わる事は無いとは言え、各社の香りは違います。

それは例えれば、大根やピーマン。仕入先（畑）によって味が違っていて、大根は大根で大きく味が変わるわけでは無いけど「美味しい・普通・時にハズレ」がある。最初に食べたものがインプットされるなら、出来れば美味しい記憶がいい・・・ですよね？

あまり好きじゃないけど、身体にいいからがまんして食べる、これは「好きじゃないけど」テストに出るから、香りを覚えるとってことに似ていると思うんだ・・・・そして「○○精油はあまり好きじゃない香り」と覚えるかもしれない。私はそれを避けて欲しいんです。

メーカーが悪いわけではありません。また、私の選んだ精油が万人に好まれるわけでもありません。ですが、キットの精油を何度も何度も、脳に「あまり好きじゃない」と覚え込ませるのがいや。テストが終わったら、その精油の小瓶は開ける事が無いと思うんですよ。

同様に、高額精油も「高くてもったいないから大事に使う」と思って、結局使わないで1年が過ぎた・・・と言うのもよくある話。
つまり「テストが終わったら使わない」というリスクがあるのを知っているから勧めないんです。

買っちゃダメな訳じゃない。買うメリットはこれ。

■キットは10種ずつ×3セット
テキストに取り上げられている精油は30種。その中から香りテストに出る精油は17種。
キットは3種あって（2級・1級A・1級B）（各10本×3・合計9,900円）香りテストに出る精油が入っているのそのうちの2キット（合計5,500円）。※値段はキットごとに違う。

■メリット

• 家でクラフトを作る時に使える
• 自分で空いた時間に、香りの組み合わせを考えるのを楽しめる
• 香り嗅ぎながら、精油のウンチクを見るのは楽しいし頭に入る
• 自分のキットを基準として、他者の精油と比べる楽しさがある

キットのデメリットはコレ

■デメリット（私の個人的意見です）

• キットの精油の香りが嫌いな場合、それでもそれを嗅ぎ続けないといけない。
• オーガニック精油を選べない。
• 始めて嗅ぐ香りが「嫌い」「うわ(◎_◎;)」と思ったら、二度と手に取らない可能性がある。（くれぐれもキットの香りは、たくさんの香りの一つと考えて欲しい。メーカーが変わると、香りは変わります。）
• キットには小さいスポイトが1本。スポイトをそのまま使いまわす人が多い。（一回一回無水エタノール等で洗浄して欲しい。無水エタノールは、小さいスポイト使う時に絶対必要。）
• 自分が苦手と記憶したのに、別のメーカーの嗅いだらいい香りで衝撃を受けた事が何度もあります。世界中にいい香りの精油は本当に沢山ある（無駄買いをしちゃいけないけど、これは！！という、いい品質のものに出会ったら、ぜひ購入してみて欲しい。手持ちの精油と比べて、世の中にはいろんな香りの精油がある事を知って欲しい。そして使って欲しい。）

その他

• アロマ検定＝AEAJ（公社）アロマ環境協会の検定テストです。
• 2級と1級があるが、1級をいきなり受けても良いし、両方受験もOK。
• 私のスクールの検定対策講座を受けるなら「1級のみ受験」をお勧めしている。理由は「受かる様に教えるから」と「受験料がもったいないから」
• 精油に表示されている「AEAJの認証マーク」は、高品質を保証したものでは無い。表示（情報）がちゃんとされているという事の保証であり、品質や香りは保証されていない。

※AEAJの表示基準
「消費者を保護するとともにアロマテラピーが安全で正しく発展できるよう、精油製品に統一した表示基準を定め、企業の信頼性の向上をも併せた精油の認定制度」「認定にあたって、各企業が販売する商品を、協会がその品質を保証するようなことは避けねばなりません。精油の化学的組成の分析は、商品の品質や中身まで立ち入る品質認定や保証になりかねず、「表示基準」の認定項目にはなじまないと考えます。」

つまりAEAJ認定精油が、品質の認定、保証、をしているわけではありません。