大昔に書かれた本に学ぶ~神農本草経~
香川県高松市マンツーマンアロマサロン・スクールAromatico~アロマティコ~高嶋です。今回は2023年8月に開催したブラッシュアップセミナー「夏」の中から、神農本草経の事を書きます。
神農本草経(しんのうほんそうきょう)と読みます。アロマの資格を取る時に、テストに出るから覚えたけど・・・覚えて終わり、の本でした。今回の機関紙では特集に取り上げられたので、じゃぁ、もう、ここはひとつちゃんと調べてみようかな?と思い、調べてみました。
神農本草経とは?・・・解説は出来ないけど
とりあえずざっくりとだけ
- 中国最古の薬物学書。編者不明。成立年代不明。成立は1~2世紀と言われているが不明。
- 365種の薬物(植物・動物・鉱物)が載っている
- 上品・中品・下品(上薬・中薬・下薬ともいう)の三品に分類して記述
- 三大古典『黄帝内経』『神農本草経』『傷寒論』のひとつ
神農本草経の“神農”とは、古代中国の神(架空の人)身近な草木の薬効を調べるために自らの体を使って草根木皮を嘗め、何度も毒にあたっては薬草の力で甦ったといわれているんだそう。
この本の成立年代や編者が不明なのも理由が色々あって、燃やされちゃたりして、バラバラになってしまったからだそう。(その理由も面白いんだけど話し出すと止まらないからストップ。
後に陶弘景(452-536)が500年頃に著した書物に引用した内容が残り、それをもとに近世になってから充実した復元本や注釈書がまとめられているそうだ。
だそうだ、、、ばっかりなのは、調べて得た情報だから。でも、こうしてデータをとにかく集めるところから何でも始まるので、これはこれで楽しい。調べれば調べるほど面白い事が出てくるのでキリがないね~(笑)
_____________
だから「神農本草経」とは・・・なんて、勉強会で5分で話せない。詳しい事はウィキペディアを見てもらった方が正しい情報を知って頂けるし、更に国立国会図書館のデジタルコレクションでも本物が見られる。
そして、この勉強会に来る人達は、神農本草経を知りたいというよりかは、アロマ、自然療法とどう関係しているの?を知りたくて来るんだもんね。うん、私もそうだよ。
なので、調べることはとことんやるけど、レジュメには「私が”おっ!”と思ったところ」を、まとめて、なるべく文字じゃなくて、嗅げたり、触れたりするものを準備する。そして、興味があれば見てみてねと。
で、「ほほう、だから昔の本なのに今でも読まれているのか!」とか「現代の自然療法のここに繋がるのか!!」と、ワクワクする。ほほう~っと、腑に落ちるから覚える、そして役立つ。この「ほほう~」を何かを学ぶ時って一番大事だよね~。「面白そう」って思う”とっかかり”を、どこにあるかな?ってまず探す。あとは、興味があれば各自で好きな事を掘り下げて行ってもらえたらと。
今回実際に体感できるものを・・・と探しているうちに図書館で、神農本草経の訳本を見つけました。絵も入っていてすごく面白い。さらに、薬膳師の友人からハスの実、麦門麦、金針菜を頂きました。これが後で面白い事になりました。
本草学?中医学?漢方?薬膳?
今回薬膳師の友人と話していて、そう言えば、これらの言葉って、ごっちゃになっているって事に気付く。
それぞれの先生に聞くと、中医学にしても、日本でおこなわれている中医学は、中国の中医学の見立てとちょっとちがうという人もいて、となると「ん?それはもはや中医学なのか?」とも思うんだけど、結局ここから先は論じても「これが正解」というものは見つからない。
使い方も、処方の仕方も”間違えている”事も有るらしい。間違う理由はズバリ、人の状態を把握していないってこと。間違いという基準も、自然療法の前では、あやふやなもの。明らかな間違いもあるし、グレーゾーンもある。人生と一緒だね。
なんにせよ、私がこの分野に興味を持った理由は「誰にでもいいわけではない」という理屈が好きだから。季節、心身の状態、よく観察してから何をどれだけ使うのか、、、っていう、まさに精油を使う時と一緒。生きるのと一緒。とても参考になる。
私的には、”正解”とは人が健康(病気になったら治す。病気の前に対処する、という事も含めて)であれば何でもいい、と思う。
”間違い”とは自分の欲の為に、売りつけたり、不安をあおって金品を巻き上げる為にこれらを利用するという事。人を見ずに自分の欲しか見ずにアドバイスや処方するということ。(ある意味これはこれで病気だと思うけどね、うん)
昔からある使い方が、○○療法とか、中医学に基づいてとか、どんな呼ばれ方をしても良い(中医学の先生に怒られるかな)大事な事は、自然と人間の身体や脳が、自然にバランスを整えようとする時に、自分の欲は毒、邪魔にしかならない事を知っておくことだろうな・・・と、思っている。
欲とは、遊びたい、飲みたい、食べたい、観たい、話したい、認めて欲しい、怒り、みたいなもの。自分が出来る事は、身体をきれいにして眠る事だと思う。もしくは運動をする事。
初めまして、から学ぶこと
今回の特集、神農本草経から何を学ぶのか。改めて、昔の本を色々調べて考えた。
聞いた事があっても内容は知らなかった、神農本草経。これは初めまして、みたいな状態だった。
21世紀前から今に続いたのは「役に立っているから」というシンプルな理由からだと思う。何百年、何千年、人が使って「いいね」と思うから続いているってすごいよね。
それは、自分らの不調を整えるのにきっと役に立つ事。それを知って、使って、また後に繋げていく。これって凄いなぁって思うんだ。
今回は、精油には使われない植物がいっぱい出てきてほぼ「初めまして」。読み方も分からない、植物も分からない、どの部位から取れたかも分からないものばかり。使い方も、味も分からない。
ああ、精油もこんな感じでみんな「初めまして」なんだよね~と、そこにも気づきました。もっと丁寧に、その「どう使ったらいいの?」を説明しようとも思いました。
こうして、いろんなきっかけを貰うのが「勉強会」。それをコツコツと積み重ねてアロマテラピーを自然療法の中のひとつとして捉える事で、上手に、安全に、有効的に使う事が出来るようになると思います。
自分の身の回りにあるもので整える事が出来るのが「養生」そして「自然療法」、アロマティコはここをずっと追求していきます。
次回の勉強会と準備を見る講座
準備を見る講座
10月12日(木)
10時∼17時
参加費4,000円
11月開催する勉強会の試作や香りの確認、資料作りや、調べものをする日です。出入りは自由です。
ブラッシュアップ勉強会「秋」
11月11日(土)と14(火)
10時∼12時
指定日開催です
参加費4,000円
11月いつでも
随時開催(マンツーマンです)
時間自由(2時間)
参加費7,000円
https://yashima-aromatico.wixsite.com/study