昔の大きな蒸留釜/ファーム富田で見たものより
精油のほとんどは水蒸気蒸留法で採れる。資格試験のテキストでも出てくる。
でも、蒸留器とか蒸留釜って、ググってみてください。家庭用から工場用まで色々ある。素材も、ガラスからステンレス、銅製のものまで色々。やり方も色々で、火の強さ、時間、圧力、も色々。
おっと前置きが長くなった。
こんにちは、香川県高松市マンツーマンアロマサロン・スクールAromatico~アロマティコ~高嶋です。今回は蒸留釜についてお話します。
目次
ファーム富田で見た、海外の昔の蒸留釜色々
蒸留は深くてひとことでは喋れない
アロマの人にとっては、精油を取る方法のひとつの蒸留。お酒の業界ではウイスキーや焼酎を思い出すはず。他にもいろんな事に使われているだろう。
私がアロマの資格を取った時、協会のテキストの挿絵を見て「ほほう、これが蒸留釜」と思っていた。でもハーブ園などの「蒸留体験」などに行くと釜の種類も色々、方法も色々、素材も色々あって「ひとつじゃないんだな」と分かった。過去イチ感動したのは鹿児島県開聞岳のふもとにある、「開聞岳山麓香料園」の蒸留釜。3つあるうちの一つは戦前から使われている。
ああ、話が反れそうだ。
いろんな蒸留釜をみると、そのうち「蒸留者の蒸留へのこだわり」の話しも聞く機会が増えて、そのこだわりの深さに惹かれた。
だから、蒸留に関しては「これが水蒸気蒸留です」と、1枚の写真で指し示せる資料を準備することができない。
検定に出る蒸留方法は、テキスト通りに暗記する
資格試験テキストでは水蒸気蒸留法、圧搾法、揮発性有機溶剤法、と大きく3つの方法で分類されていると思う。精油のプロフィールのところでは「○○法」と蒸留方法が書いてあるはず。
柑橘系(たとえばオレンジ)はAEAJ検定では圧搾法と出る(テキストに書いてある)けど、日本では柑橘系の蒸留方法は、ほぼ水蒸気蒸留だと思う。
国内産の柑橘系の精油を探したら、圧搾法、水蒸気蒸留法、有機溶剤や他にもあると思う。水蒸気蒸留の横にカッコ書きで減圧法と書いてあるのも有る。どれがいいか?という問題じゃあなくて、とにかく色々あるんだよ、が言いたいんだ。香りについては好みの問題。
先生が、どこまで説明するか?にもよるけど、細かく説明していれば時間は足りなくなるし、生徒さんも迷ってしまうかもしれない。だから、先生が説明を詳しくするのがいいか?悪いか?じゃなくて、その後自分がどこまで知ろうとするか?が大事。
普通は、テキストに載ったままを伝えるのみだと思うから。色々調べていくと本当にたくさんの情報に出会うからね。ごちゃごちゃになるけど、楽しいんだよね。
世界にはたくさんの蒸留釜がある
現在発見されている最古の蒸留器はメソポタミア文明のテペ・ガウラ遺跡で発掘されたものらしい。先史時代の中国でも蒸留技術を用いていたという記述が残されているそうだ。約5000年前から、人間はいろんなものを蒸留していて、今も試行錯誤して蒸留しているってすごいよ(笑)
日本は「らん引き」という陶器製のもので蒸留していて、これは、けっこう薬の歴史の博物館へ行くとみかけるんだけど、九州の佐賀にある中冨記念くすり博物館と言うところのが綺麗だったような記憶がうっすらある。
ファーム富田で使っていた昔の蒸留釜
ファーム富田、昔の蒸留器が展示してあるの。
富田さんが、苦労をたくさんして、色んな想いでラベンダーを育て蒸留していて、その言葉を読んだ後にこの蒸留窯を見たもんだから、すごくジーンと来た。
古いけど、今も使えそう。構造は今のとほぼ一緒。
ファーム富田の、今の蒸留所の蒸留釜。ステンレスタンクなんだね。こんなに大きな蒸留釜すごいね・・・・そういえば芳香蒸留水も5㍑タンクでも売っていたなぁ。
凄くよくわかる説明。
蒸留釜は、機会があれば色々見に行くと楽しい。大分香りの博物館にもあったし、蒸留所には大きな釜が沢山ある。もちろん大きければいいってものでもなく、個人で自分で使う分を家庭用のサイズで蒸留をしている人もたくさんいる。
精油は蒸留の後に出来るものだから
私は蒸留をしないのだけど、蒸留に興味があるのは、いい精油は良い蒸留があってこそだから。素材を選んだり、蒸留の技術にこだわったりしているのが興味深い。
アロマティコでは、蒸留を楽しんでもらう為の集まりを時々している。ファームに行って体験したり、高知の山の柚子を送ってもらって蒸留したり。今年も冬に柚子の蒸留とあれこれの手仕事をしたいなと思っている。