精製と未精製 どちらがいい?
香川県高松市マンツーマンアロマサロン・スクールAromatico~アロマティコ~高嶋です。今回は、質問にも多く、講座でも必ず取り上げる「精製と未精製」どちらがいいか?について話します
結論
どっちでもいい。使い分ける事が大事。
精製と未精製とは何のこと
広義での意味
広い意味でその違いを、洗い出してみます。大好きWikipediaを調べてみました。すると精製はあるけど、未精製は掲載が無い。これはこれで面白いね。未精製に関しては、私の解釈で言葉にしました。
■精製とは
混合物を純物質にする工程、あるいはその技術。化学的に合成したり、抽出などにより得た化合物は、多くの場合、いくつかの化合物の混合物であるため、単一で純度の高いものにするために精製を行う。重要な精製技術に、再結晶、蒸留、昇華、クロマトグラフィーがある[1]。目的とする純度は、それを用いて何を行うかによって決まり、元素分析のためには高純度にする必要があるが、ほかの用途では大まかな純度で十分となることもある[1]。
※アロマクラフトで使う場合は、最後に書かれている「他の用途では」に当てはまるね。
■未精製とは
高嶋的解釈
混合物である。化学的合成や抽出などにより得た混合物、そのままの状態。
※自然療法においては、植物から取り出した状態に近いのが未精製。もちろん売るにあたって、濾してきれいにするので、その度合いによって色々あると思うけど。
狭義での意味
アロマテラピーの材料の中にある精製・未精製。植物を使って精油を希釈したり、アロマクラフトを作る時に使う材料の中で「精製・未精製」のものがある。以下は一例。
- シアバター
- 蜜蝋
- 植物油(ホホバ)
■アロマの材料での精製されたものの特徴
固形物(蜜蝋、シアバター)は白い。液体(ホホバ油等)は透明。香りはほぼ無臭。手触りもさらりとした感じ。一言で言えば「癖がない
- 精製されている分、色んなものが取り除かれている
- アレルギーの原因となる物質も少ないので、アレルギー体質の人にはありがたい。
- 色も香りが薄い分、精油の色や、植物の色、その香りがそのまま出る。
- 植物の栄養そのまま欲しいという方には物足りなく感じる
- 精製した商品はケミカル(化学的)処理をしたと、マイナスなイメージを持つ人も居る。
■アロマの材料での未精製の特徴
固形物も液体も、素材そのものの色と香り、成分がそのまま残っている。植物が育った場所による特徴が含まれている。オーガニックであればなお、その特徴が出る。
固形物は、黄色、クリーム色などをしている。液体は黄色、黄金色。香りは素材独特の香り。手触りも様々。クリーミーだったり、固かったり、香りに癖があったり、いい匂いだったり、人によって感想も様々になる。一言で言えば「その子の個性がそのまま」
- シアバターは産地やメーカーによっては、クセを感じるし、海外現地調達のモノは衛生管理は不明。ただし、良いものは本当にいい。
- アレルギー体質の方には、刺激となる物質が含まれる可能性もある(それだけ栄養、有効成分があるということ)
- 香りが、精油の香りと合わない事もある(その感覚も人それぞれの好みだが)が、合えばとてもいい相乗効果になる
- 手が加えられていない分自然の恵みそのままを受け取る感覚がある
- 植物の香りがあるので、精油を入れなくてもいい香りがする
アロマテラピーでは、どう使われているのか
- トリートメント時の精油希釈用の植物油
- 蜜蝋クリーム(バーム)やリップクリーム作る時の材料(蜜蝋、シアバター)
- 水入りふわふわクリームや、クレイパックの材料(精製水)
どう使い分けるか
- 狭義の精製・未精製に特徴をリストで揚げたので、比べてみる。特にメリット、デメリットを、普通の気持ちで見る。
- 誰が、どんな目的で使うかを考える(これは材料選択の際、とても大事。万人に良い・・・は自然療法の場合難しい)
上記の2項目だけで答えは出てくるかと。迷うのは「みんなにいいものを」を作ろうとするから。普通の健康な人が対象なら「なんでも、どっちでも」で大丈夫。
だけど、ものすごいアレルギー体質の自分の家族に、市販品が合わないから化粧水やクリームを作るとなれば、これはひとまず刺激(リスク)の少ないものを、と選ぶと思う。おそらくアレルギーリスクの少ない精製の材料を選ぶよね。精油も刺激の少ないものを低濃度で使うよね。
じゃあワークショップで誰が来るか分からないならどうする?素材を楽しんで頂くために未精製のものを使いたいと思うなら、どんな材料を使うかきちんとアナウンスするよね。そして、自分の責任はどこまでで、利用者の責任はどこまでか、アナウンスする。
自宅でのお教室なら?相手が分かっているんだから、事前に聞いておいて、一緒に選ぶよね。もちろんこれすら「正解」ではないかもしれない。最初から一番リスクの少ないものを準備しておくんだって正解。
要は、使う人の立場になって選んでいるか?が大事。
自分で考えて決める事の大事さ
精製がいいの?未精製がいいの?の答えが一つじゃない事が伝わったかなぁ。
自然のものを使うのは、難しくない。
でも自然=安全ではない事を、頭の片隅に入れて置く。
何か起きたらそれはただ「体に合わないから炎症を起こした」だけ。
人に勧める時も、その人の事を想って考える。どんな体質の人に、どんな目的で渡すのか。そうすれば「使い方を説明する」事も義務だからじゃなくて相手に何か起きる可能性がある事を伝えるのが当然と、なるよね。
誰かが大丈夫と言ったら、誰かが危険と言ったから、じゃなくてちゃんとその材料を調べて自分で決める。
これが一番大事。私自身この「何をどのくらい使うか、自分の責任で決める」を大事にしている。だからもちろん”やらかした”時も自分の責任。
アロマティコの講座では、このあたりどう取り上げているか
①トリートメント講座の時に、アロマトリートメントを誰かにする際、希釈する植物油の説明で
②15時間講座の初日に「誰に、何を、どのくらい使うかを、どう選ぶのかとその選択の大事さ」を語る時に
③15時間講座のクラフトを作るたびに、材料を選ぶ時にその都度何度も説明
④One Dayの勉強会やクラフト講座の時に、そのメリットデメリットを説明して自分で選択してもらう
■15時間のオリジナル講座では
特に初日にアロマテラピーを含む自然療法について大事な事を話します。ほぼこれで終わるくらい。全ての自然療法のベースになるからね、ホリスティックに、俯瞰的に、物事を見る大事さを話します。
その例として、材料の精製と未精製の例をあげます。物事には必ずメリットデメリットがあり、ベストの選択などない事。アロマの協会どころか、どの自然療法にも共通しており、もっと言えば生きる中でも大事だと思う考え方。
とにかく迷ったら、それぞれのメリットとデメリットを出来るだけ並べて、先入観を持たず、今の自分(相手)の状態を把握し、そのうえで今必要な選択を考えて試す。万が一、良くない事が起きるとすればどんなことが起きそうなのか?それすら想定して置き、対処する。
こういう作業を経て、いちいち何かを選択していくよ、と。特にお仕事を始めようとしている人には熱く語ります。
■2時間講座では
中々15時間講座の時の様に丁寧には伝えきれず、特に精製未精製に関しては、最低限の選択のコツをお伝えするのが精いっぱいです。受講者が希望してくれたら、なんぼでも語ります。
■本当に伝えたい芯の部分
先にも述べた様に、この精製未精製の選択すら実はその後ろには物事を選ぶコツ、もっと言えば人生の選択のコツみたいなものも隠れていて、自然療法は植物でも、その使い方や作り方は人の数だけあり、その全部がその人のオリジナルが含まれ、どれも完全に安全とは言い切れないもので、それは現在自分を取り巻いているすべてに共通している事でもあると伝えています。
数ある似たようなレシピや利用方法中から自分の合いそうなものを選んで使い、ダメなら原因を見つけ、改善し、自分に合うようにアレンジする。心地よく使えればそれが正解。
ダメだった時には、その雑な情報発信者を攻撃する意味などなく、金輪際そういうもの選ばないと決めて、それこそ自分自身が雑多な情報(未精製な情報)を自分で精製していく、そういう感覚を持てば良いだけ。
そうすると、ほら、その感覚はオリジナルの新しいレシピと使い方になるじゃない?自然療法の勉強とは、人間の生き方の勉強とよく似ていると思っている。100人いれば100通りと言うけれど、本当にそうなのに、誰かに好かれようとする。誰かと一緒を選ぼうとする。そして想定外が起きると困ってる(笑)
材料が植物であれば、年によって、地域によって変わる事もあるので、そこもまた工夫が要る。それが自然療法。でも、人生がそもそもそんな感じではないか?と気付き、ちゃんと自分で選べる癖をつけられるように、アロマティコでは伝えている。
「選べないので先生決めて下さい」もひとつの選択。私の選んだものが、本人の良いものとは限らないけどね。どうやってブレンドするか?どうやって、アレンジするか?を見せてるよ。
とにかく何でもいい、何かを選択するという事は、次に進んだ、という証拠なんだよね。ただ、前回よりも、一つは自分で選んでみるとか、私のものに何か足してみるとか、作業をしてみるとか、質問をするとか、自分なりの「何か」を入れてくれるように・・・と思って授業をしています。しかも、完全なマンツーマンで。